狼と香辛料 1巻
2度のアニメ化もされた、支倉凍砂さんの人気シリーズ。
2011年にシリーズは完結されたと思っておりましたが、この度、5年ぶりにシリーズ再開となっております。
主人公が行商人で一年の大半を旅に出ている中、とある村で自分の馬車に潜り込んできた少女が、実は人間に化けていた狼で、長きに渡って小さい村で崇められていた存在であったのだが、故郷に帰るという目的を知り旅の同行を許すことになった、という展開になりまして。
いや、やはりホロというヒロインの狼少女のキャラがしっかりと立っていて、なるほど早々にアニメになるのも納得でしたね。したたかで、でも長年孤独だったことでちょっとした優しい振る舞いに心動かされて、しかしやはり狼でいざというときは強大な力を発揮して、と、美味しい設定盛りだくさんでしたね。
またライトノベルというジャンルでは珍しく、経済に関するウンチクも様々に語られ、主人公が商人ですのでその知識を元に相対する組織や個人との駆け引きもなかなかでした。貨幣に関するやりとりはなかなかに興味深かったですね。
支倉凍砂さんの筆力も確かで文倉十さんのイラストも魅力的、と1巻の時点ではそれは話題になるだろうと納得の出来でした。2巻以降も読んでみたいと思わせてくれましたね。
りゅうおうのおしごと! 4巻
将棋を題材にした白鳥士郎さんのシリーズ第4作。
さすがに3巻のような印象深い展開とまではいきませんでしたが、今巻もなかなかに読ませてくれましたね。
将棋の才能には恵まれたものの社会常識をどっかに捨ててしまった、破滅型天才ライバル少女も登場してこれがまたインパクトありまくりでした。しかし将棋題材作品で電話で「今から突入しま~す」→訪問、って、やって大丈夫だったのかな……ヤバい橋渡るなあ、とか思ってしまいますね。
女子小学生たち、特に金髪幼女のあざと可愛さもまた爆発してました、しかもニコ生ライブ放送とは。この作品世界における有料ニコ生三大コンテンツには、腹を抱えて笑ってしまいましたよ、いや主人公でなくてもツッコミ入れますよねえ、アレは。
ただ第1巻からヒロインポジの姉弟子、女流棋士最強と思っていたのですがなんだか今巻で格がそれなりに落ちてしまったようなのがやや残念だったでしょうか……その分、ヒロイン力はUPしていましたけども、あまり露骨な踏み台にはなって欲しくないですね、まあかなりの人気キャラでしょうからちゃんと考慮はされているとは思うのですけどね。
あと女流棋士とは、という問いかけに対する第一人者の返答が印象に残りますね……それが現実とは言え、本当に厳しい世界ですね。
次の巻ではいよいよ主人公が弟子達を押しのけて全面に出てくることになりそうですね。まだまだ道半ばでしょうから心折られるレベルの敗北もありそうですが、どんな展開になるのか楽しみでもあります。
魔法科高校の劣等生 20巻
「小説家になろう」サイトで人気を博し、電撃文庫にて書籍化された佐島勤さんの人気シリーズ、本編20巻。
沖縄に公的行事で訪れることになった主人公兄妹に、春休みや卒業旅行で訪れることになった学園の同級生・上級生たち、彼らがやはり騒動に巻き込まれていきお兄様が鮮やかに解決していくさまを描いておりまして。
前作までの拙レビューはこちら↓
しばらく出てこなかったキャラたちが活躍していたのは読めて良かったと思います、まあほとんど忘れかけていたキャラもいましたが、「沢木って誰だったっけ」状態でしたので。
今後激しくなるであろう展開の前の息抜き回としては、今後の伏線らしきものもチラホラ出てきて(エピローグとか)、それなりに読めた感じだったでしょうか。
敵側がこれでは小物過ぎるかな、とか敵勢力との一時的な共闘って、今回の展開を読む限り必要か疑わしい印象を受けたり、気になる部分もありましたがまあまあ満足は出来ましたね。
ただずっと気になっているのですが口絵の主人公二人のイラスト、ずっと掲載され続けていますが新しいものに変えるつもりはないのでしょうか……
聖剣使いの禁呪詠唱 17巻
アニメ化もされたバトル&学園ラブコメなシリーズ第17巻。
今回は短編集となり、主に主人公たちが1年生の頃のエピソード7本が収録されておりました。
前巻までの拙レビューはこちら↓
まあ短編集ということで、よくあるパターンで今まであまりスポットが当たっていないキャラを描いたり、本編でも出番多いキャラだとその意外な素顔を描いたりしているわけで。
マスコットなキャラをあざと可愛くやってるよなあ、相変わらず、などと感じる部分もありましたが、バトルはほぼなくキャラごとのやりとりで進んでいくスタイルで、正直そんなに見所はなかったかな、といった所だったでしょうか。
まあでも、やはり前年の副長が出てくるととても愉快ですな、最後のエピソードはなかなか楽しかったですね。
2ヶ月後にはすぐ新刊が出るってことで、こちらは恐らく盛り上がってくる展開が待っていると期待したいものです。
対魔導学園35試験小隊 外伝2巻
対魔導学園35試験小隊Another Mission2 (ファンタジア文庫)
- 作者: 柳実冬貴,切符
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/富士見書房
- 発売日: 2016/08/20
- メディア: 文庫
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アニメ化もされた、劣等生の寄せ集めだったはずの部隊が遂には世界をも救う戦いの中心に巻き込まれていくバトル物。
短編集となる外伝ではありますが本編終了後のエピソードが書き下ろされ、シリーズの最後を締めくくる一冊となっております。
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小隊メンバーの日常&騒動を描いていましたが、まあ短編集としてはよくあるパターンで、他の形式で描くのも難しいし需要があるかどうかも判らないわけで、これはこれでアリだと思います。
そしてやはり目玉となるのが本編終了後を描いた最終エピソードになりますね。最後の最後に描かれた”再会”、よくあるパターンではありますが、このシリーズを締めくくるにふさわしい話だったと思います。
しかし結婚相手は意外なのか……無難に桜花かハーレムだと思ったのに……
これでこの作品ともお別れで、全体を通してみるとバトルがなかなかに楽しめたシリーズでありました。
キャラ的にはもう一つハマれるヒロインには出会えませんでしたが、今は読んで良かったと思えます、うん。
学戦都市アスタリスク 11巻
アニメ化もされた学園+バトルものの人気シリーズ、11巻。
大きな大会を終え、次なるステージへ向け準備するもの、また己の過去に向き合うもの、それぞれの思いを中心に描写された巻となっていました。
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より力を増した主人公に肉薄する後輩の少女剣士、その技と心の交流とをメインに描いておりましたが、なかなか楽しめましたか。
個人的に贔屓にしている歌姫も今後の物語に大きく関わってくる様子も描かれましたし、主人公の家族周りも核心にいるのは姉だけだと思っていたら母親も大きく関わっていそうということが判明して、俄然気になって参りました。
ツンデレなお姫様も宿願を果たすため、過酷な特訓を予想外の相手とこなすことになりましたし、今回は結構驚かされる展開が多めでした。
次の巻は恐らくは来年になるのでしょうが、楽しみに待ちたいですね。
学戦都市アスタリスク 1 (完全生産限定版) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: アニプレックス
- 発売日: 2015/12/23
- メディア: Blu-ray
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ソードアート・オンライン 18巻
ソードアート・オンライン (18) アリシゼーション・ラスティング (電撃文庫)
- 作者: 川原礫,abec
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2016/08/10
- メディア: 文庫
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大人気シリーズのアリシゼーション編クライマックスとなる18巻。
主人公キリトがとうとう復活、物語は最終局面を迎えます。
前巻までの拙レビューはこちら↓
あまりに長すぎたアリシゼーション編がようやく完結してくれてホッとしました。
さすがに長すぎましたし、描写が多すぎて、あるいは作者の川原礫さんが描きたいことを全面投入した結果だったのかも知れませんが、一読者としてはもっともっと簡潔にしてもらわねば惰性でしか読めないよなあというのが率直な印象でしたね。
この巻ではキリトが神が如く、途方も無い力を奮って(敵側も相当な力で対峙はしているのですが)アンダーワールドという世界を救うべく戦っているのですが、大本のアインクラッドが大きく関係してくる部分は良かったですし盛り上がりも感じましたし、一つの決着がついたことに安堵のような心情も浮かびました。
ただ、あのエピローグは、ちょっとねえ……まああの主人公ならあの選択するだろうとは思いますが、周りがかなり緩くないですかね、瀕死の状態から復活したばかりなのに。疑問に感じた次第でした、まあこんな大人気シリーズを終わらせるわけにはいかない、というメタな理由も十二分に理解は出来ますけどね。
まあここまで来たら最後まで付き合うことになると思いますが、出版社との兼ね合いもあるでしょうがダラダラと続けずビシッと締めくくってもらいたいものです。
人類は衰退しました 全9巻
美少女ゲームの著名シナリオライターである田中ロミオさんの、ライトノベル進出タイトル第一作となるシリーズ。
戦争などを繰り返し衰退してしまった人類に代わり、新たに地球で多数を占めることになる存在、それはなんと妖精さんでした。……とまあ、何と言っても設定の勝利ですね、こんな世界はちょっと見たことなかったです。
また妖精さんたちの愉快なキャラクターがまたいい……人見知りで、お菓子が大好きで、懐いたらポコポコ湧いてきて、でも鬱になると丸まっていなくなってしまう、何とも不可思議で目の離せない連中でしたね。
語り部である「わたし」ちゃんも実にイイ性格しておりましたし、人類の緩やかな衰退感も味わい深いものがあり、独特の雰囲気が大変心地よい世界でした。
途中でイラストレーター変更になったのは少し残念でしたが、代わった戸部さんもさすがに長く一線で活躍なさっておられますし、何より絵柄が近かったので違和感がほとんどなかったのが素晴らしい。
実はPCゲームの田中ロミオシナリオは一作しかプレイしたことないのですがそれが本当に心に残る作品(「家族計画」)でしたし、長編の田中ロミオ作品にハズレなし、ってことなのかな、なんて思えたシリーズでした。
転職の神殿を開きました 1-2巻
「小説家になろう」サイト上にて人気を博している、ファンタジーシリーズ。
異世界転移させられた主人公の青年がその際、他人に大きな力を与えることの出来る転職能力を得て、その力で活躍(?)する姿を描いております。
最初、タイトルを見たときはタイトル落ちだったりしないかと懸念もあったのですが、読んでみるとこれが実に面白い。
主人公は転職させる能力があって、自分を護衛してくれる美少女剣士をはじめ彼ら彼女らが猛烈に強くなりモンスターとのバトルで大活躍するわけですが、主人公にも実は奥の手があって時間限定で超強力な一撃を加えられる、でも普段は戦闘能力極小ってギャップがいい感じになっており。
日常描写もなかなかに楽しい掛け合いをしてくれますし、ヒロインズもかなり魅力的にかつちゃんとそれぞれに個性が出ていて(癒し系ヒロインは正直地味過ぎかも)、読んでいて思わずクスリとしてしまいます。
ジョブが色々出てくるのも、もともとゲームでのジョブチェンジシステムは大好物なので嬉しくなりますね。
村人からジョブチェンジして大活躍、はカタルシスを感じられることが多く、特に1巻で瀕死の状態からヒーラー転職→恋人を救うシーンは実に印象的でした。
と、基本的に大変気に入っている作品なのですが、商業文庫化としては今ひとつ完成度が低いかなあ、と残念ながら感じる部分も。
まずイラスト、本編中の設定と実際の絵がフィットしてないことがしばしばです。そもそも主人公が若作りとはいえ20代なかばの設定なのに少年にしか見えないのはどうかと。
口絵イラストでは神官になったはずなのに普段着で重要なセリフ言ってることになっておりますし……ヒロイン達は本当に可愛く描けているだけに惜しい。
「レベル99冒険者によるはじめての領地経営」でも感じたことですが、モンスター文庫の編集側とイラストレーター側との意思疎通がしっかりなされていないのではないかと懸念してしまいますね。
背表紙のあらすじも間違ってはいないけどもっと正確さを求めたいですし、キャラ紹介文は2巻で変更されず1巻のままのキャラもチラホラだし、正直編集側に雑さが目立ちます……せっかくの良作をもっと大切にして欲しいと願ってしまいますね。
なろうサイトでは旺盛に更新がなされておりますので続刊も期待したいものです、ヘンな所での打ち切りにならないと良いのですが。
対魔導学園35試験小隊 全13巻+外伝1巻
対魔導学園35試験小隊 13.暁の約束 (ファンタジア文庫)
- 作者: 柳実冬貴,切符
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/富士見書房
- 発売日: 2016/07/20
- メディア: 文庫
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対魔導学園35試験小隊 (12) 黄昏の呼び声 (ファンタジア文庫)
- 作者: 柳実冬貴,切符
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/富士見書房
- 発売日: 2016/03/19
- メディア: 文庫
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対魔導学園35試験小隊 文庫 1-11巻セット (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 柳実冬貴
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/富士見書房
- 発売日: 2015/08/20
- メディア: 文庫
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アニメ化もされた、劣等生の寄せ集めだったはずの部隊が遂には世界をも救う戦いの中心に巻き込まれていくバトル物。
本編は無事完結し、残るは外伝1冊を残すのみとなっております。
劣等生といっても単にスペシャリストの集まりでアンバランスなだけ、ってのがパターンでこの作品もそういう仲間が揃っているわけですが、仲間内のやり取り・掛け合いがなかなかに楽しく、最後の巻まで読ませてくれました。特にヒロイン格の二人が最初から最後まで口喧嘩の応酬で、周りも呆れつつ最終的には理解していく(でも喧嘩は続く)様はそのシーンが来る度クスリとさせてくれましたね。
主人公の妹が中盤以降重要な存在になっていき、そして実はぶっ壊れヒロインだったというのも、まあたまに見かける展開ですが存在感はありましたか。
戦闘描写もしっかりしたものがあり、後半はバトルに偏り過ぎな感もありますが最後まで読ませてくれました。
個人的にはヒットするヒロインはおらず、主人公にも特に魅力は感じなかったのが残念でしたが、13巻分購入し続けるだけの読み応えはありました。残りの巻もここまで来たら付き合うつもりです。
空戦魔導士候補生の教官 10巻
アニメ化もされた、教官役の少年と少女のみで構成された小隊員達で織り成す空戦部隊の物語、シリーズ第10巻。
前巻までの拙レビューはこちら↓
クライマックスに向けて交渉と訓練、そして決戦前のバトルということで仕方のないことですがやや盛り上がりには欠けましたか。
ただずっと敵対していた存在の心境が変化しつつあったり、恋愛方面でも何か起こりそうと、最後の種まき巻となっていて、ここからはクライマックスに向けて疾走してくれるのでしょう。
でもこの恋愛方面への反応が極めて薄い主人公だと、最後までそちらでは盛り上がらないままなのかも……
しかしピンナップの肌色率はかなり高いですな……あまり本編とリンクしてない印象ですが、まあこれはこれでいいですか。
冴えない彼女の育てかた 10巻
丸戸史明さんによる、同人ゲーム制作を舞台にした恋愛コメディシリーズ、本編19作目。
夏休み突入前、夏コミケ直前の修羅場ではあるものの、それでも海に行こうという話になってからのお話だったわけですが。
前巻までの拙レビューはこちら↓
今巻はまず、カバーイラストが本当に素晴らしい! 深崎暮人さん描くメインヒロイン(?)の麦わら帽子姿、もしこの作品が全く無名の完全新作だったとしても思わず書店で手にとってしまうであろうインパクトがありました。
ただ惜しむらくは、この巻でメインでスポットあたるヒロインではなかったことですね……まあ丸戸史明さんが本当にギリギリで脱稿したようで深崎暮人さんに平身低頭だった的な後書きを読むとやむなし、ですかね。
……と思い込んでましたが、これってもしかしなくても先輩ですか、ありゃあ勘違い? 恵だと思い込んでしまいましたわ。
久しぶりにメインで出てきた先輩毒舌ヒロインは、やあなるほど、オチまで含めて実に彼女らしい、何だか嬉しくなってしまいました。主人公の行動も9巻の二番煎じ的な部分もありますけど、それを助言した人間のためなわけですからまあありですね。
あとはラストでの主人公と相手側黒幕とのやり取りがなかなか印象深かったです、だからラストに持ってきたのでしょうけど。
アニメ2期の準備もあるようなので今年はこれで読み納めになるのかも知れませんが、また次の巻を楽しみに待ちたいですね。
イコノクラスト! 全10巻
榊一郎さんによる、ダークファンタジー+ロボットモノ。
異世界召喚された主人公(と従姉妹)が破滅の危機を迎える世界を救うべく召喚され、戦いの渦に巻き込まれていく様を描いております。
スクラップドプリンセスシリーズを愛読していた流れでこのシリーズも読むことにしたもので、そのあまりの雰囲気の違い、ダークさに若干戸惑いを感じましたし、正直なかなかカタルシスの感じない展開続きで面白さを掴めなかったのですが、榊さんの筆力で読ませてはくれましたし、まあオチも悪くはなかったので10巻追い続けてガッカリ、ってことにならなくて安堵しました。ただヒロイン格の少女が複数いるのですがどのキャラにも魅力を感じなかったのは残念でした、あの世界観なのでなかなか楽しいやり取りってのが難しいのも理解は出来るのですけどね。
ダークファンタジーはあまり読まないジャンルだったのでそこは新鮮でしたし、まあ読み人は選ぶ作品であることは確かですが、エグさ、グロさを乗り越えられればなかなか読めるシリーズではないかと思います。
織田信奈の野望 4巻
アニメ化もされた人気ライトノベルシリーズ、第4作。
前の巻のラストで絶体絶命の危機に陥った主人公が如何にして戦い、この窮地を脱するのか、とても気になっていたわけですが。
周りの姫武将たちの動揺っぷりもしっかり描かれ、特に妹的存在の娘の健気な様子がなかなかに印象的でした。
まあここで主人公が死んでしまっては物語は終わってしまうわけで、主人公補正で助かることは明らかでしたがなるほど、救出シーンで重要キャラとのフラグを立てる展開となりましたか。
前巻ラストの盛り上がりっぷりからするとやや拍子抜けではありましたが、元々武将としては強いわけでもなんでもないので、こういうオチもやむなしですかね。
いよいよ戦国最強軍団を率いる姫武将も顔を見せ(最強武将はまだですが)、さてどのようになっていくのか、続きも楽しみではあります。
神曲奏界ポリフォニカ ストラグル・クリムゾン
榊一郎さんが担当するポリフォニカシリーズ、通称「赤ポリ」の第4巻。
前巻「スパーティングクリムゾン」のラストを受け、苦境に陥った主人公コンビの復活ぶりを描いております。
もちろんあのまま黙って終わってしまうヒロインではなく、見事な活躍を見せてくれることを期待していたわけですが。
いやはや、さすがは榊さん、見せてくれました。
まあ今後にも出張ってきそうな敵も出てきてますます盛り上がっていきそうです。
あとはまあ……「黒ポリ」も読んでいて良かったなあ、ってところですか。
今後の展開に期待させてくれる内容であったことは確かですね。