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真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 1巻

 

小説家になろう」にて今なお連載継続中の人気タイトルを角川スニーカー文庫にて加筆、商業文庫化された作品、そのシリーズ第一作。

 最近まで存在を知らなかった作品でしたが、たまたまタイトルを見て興味を惹かれ、なろうで読んでみたらかなり楽しめたもので、でまたもやたまたま電子書籍版がかなり安価に配信されたタイミングがあったので商業版も読んでみることに。

 

 作者のざっぽんさんがあとがきに書かれていたように、RPGなどで力不足で途中離脱するキャラをイメージしていましたが、読んでみると何の何の、実は勇者パーティをしっかり支えていて、実際そこから離れた場所で主人公となっても魅力ある存在であり。

 身の上を隠しつつも辺境の地で地域の人々の信頼を勝ち得て、でもトラブルの数々に巻き込まれて、知識と(特別じゃない)一般技術で何とか対応していくさまはとても楽しめました……まあ、勇者パーティの頭脳担当とは言え、戦闘経験も当然豊富なので苦戦の描写はないですけどね。

 

 イラスト、というかキャラデザインもかなり目を惹く出来となっていて商業版の大きなウリとなったのではないかと。個人的にはヒロインのリットが目立ちすぎる外見で、こんな美女が店番してたら商売にならんのでは、という気がしましたが……

 

 文庫版の追加要素で過去のエピソードがいくつか描かれましたが、なろう版ではほぼ描写のなかったハイエルフ、ヤランドララの人となりが分かるエピソードが印象的で、これだけでも読めてよかったな、と感じましたね。

 

 個人的には一番の推しである妹であり勇者なルーティにもう少し、追加描写があればなあ、と思いましたが、まあそれは2巻以降の楽しみということになりますか。あとなろう版のときから感じてましたが、追い出されたというにはあまりに主人公の物分りが良すぎて違和感がありましたが、こちらは商業版でも同様でしたね……いくらショック受けたといってもルーティとコミュニケーションなく別れる、というのはあの二人の関係からいってあり得ないよなあ、と。そこまでパーティから引き離す策略に長けてたわけでもないですしね、あのキャラは。

 

 ともあれ、これは今後もスニーカー版の方も読み続けないとな、と感じさせる内容に仕上がっていたことは確かで、うん、満足度はなかなかのものでした。2巻も近々にダウンロードすることになるでしょう、あるいは来年すぐ出る3巻と同時、ってのもアリかな。