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りゅうおうのおしごと! 5巻

 

りゅうおうのおしごと! 5 (GA文庫)

りゅうおうのおしごと! 5 (GA文庫)

 

 将棋をテーマにした白鳥士郎さんのシリーズ第5作。

 今までは語り部ながらも内弟子たちを中心に描かれていてそこまでスポットが当たってこなかった主人公、そのタイトル防衛戦がメインに据えられ、その異常なまでの才能が棋界最強の名人との攻防で更に花開いていく様が描かれました。

 前巻までの拙レビューはこちら↓

dragonmuga0093.hatenablog.com

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 ですが個人的に一番印象に残ったのは彼のシーンではなく、彼が長らく世話になっている女性、将棋の才能には周りの人間ほど恵まれないと思われていたキャラが己の極限まで追い詰められそこから立ち上がり、ついには勝利をもぎ取ったあのシーンに魅了されてしまいました。……思えばこのシリーズ、確かに2巻までも十分に楽しめましたが、真に凄いと思わされたのも3巻での彼女が立ち上がってくるシーンでしたし、清滝桂香というキャラクターが本当に機能したときこそ、この「りゅうおうのおしごと!」という作品が輝かしい光を放つことになったのだろう、と感じましたね。

 

 今、現実世界でも中学生棋士がとんでもない連勝記録を達成していたりと、何だか現実とリンクしているようで怖くなるほどですが、ますますの盛り上がりを見せてくれることを作者の白鳥士郎さんに望みたいですね。まあ、「ロリコンを殺す服」なんて単語を飛ばしてくるあたり、期待(?)していいのでしょうけど……いいんだよね?