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人類は衰退しました 全9巻

 

 美少女ゲームの著名シナリオライターである田中ロミオさんの、ライトノベル進出タイトル第一作となるシリーズ。

  戦争などを繰り返し衰退してしまった人類に代わり、新たに地球で多数を占めることになる存在、それはなんと妖精さんでした。……とまあ、何と言っても設定の勝利ですね、こんな世界はちょっと見たことなかったです。

 また妖精さんたちの愉快なキャラクターがまたいい……人見知りで、お菓子が大好きで、懐いたらポコポコ湧いてきて、でも鬱になると丸まっていなくなってしまう、何とも不可思議で目の離せない連中でしたね。

 語り部である「わたし」ちゃんも実にイイ性格しておりましたし、人類の緩やかな衰退感も味わい深いものがあり、独特の雰囲気が大変心地よい世界でした。

 

 途中でイラストレーター変更になったのは少し残念でしたが、代わった戸部さんもさすがに長く一線で活躍なさっておられますし、何より絵柄が近かったので違和感がほとんどなかったのが素晴らしい。

 実はPCゲームの田中ロミオシナリオは一作しかプレイしたことないのですがそれが本当に心に残る作品(「家族計画」)でしたし、長編の田中ロミオ作品にハズレなし、ってことなのかな、なんて思えたシリーズでした。