12月のベロニカ
数少ない富士見ファンタジア大賞受賞作。
騎士と姫と女神……とファンタジーな世界を舞台に、その身を狙われる「眠り姫」とそれを護る騎士、そして謎の青年が織り成す愛と永遠の物語、とでも言いますか。
確かにこの作者、デビューするだけの筆力はあります、最初の10ページを読んだだけでそれは感じたんですが……読んだ当時の率直な意見として「これがホントに大賞を獲ったの?」と首を傾げてしまいました。
キャラがいきいきと動いているわけでもないし、せつないお話、ってやつもPCゲームや一部コンシューマゲームなでどありふれている昨今、それを上回るどころかその域に達してもいないような印象を残念ながら受けてしまいました。
あと、これはわざとやってるんでしょうが、物語途中で筋が読めてしまうようなネタばらしをやってしまってるのも興ざめでした……ラスト手前付近まで引っ張った方がまだしも納得出来たんですがね。
ヒロインも立場上、仕方のない面があるとはいえ、存在感が薄かったのも残念であります。
佳作ならばともかくこれが大賞とは……と、不思議に思った作品でした。