空の境界 上巻
「月姫」で大ブレイクした奈須きのこさんが描く、もう一つの「直死の魔眼」を持つ主人公の物語。
両儀式という、複雑な人格ととんでもない異能力を持ってしまった主人公と、その同級生である黒桐幹也という少年を中心に「死」を意識させるエピソードがこれでもか、と出てきます。
奈須さんの筆力は「月姫」でも存分に認識させられましたがやはり読ませるに足るもので、上巻だけでも分厚いですが先が気になって一気に読まされてしまいました。
「月姫」の成分を多く含んで設定的にもかなり重なっているので、そちらに魅せられた人間にとっては今作でそれらのキーワードが出てくる度にニヤリとさせてもくれましたね。
今巻では「モノを自在に曲げる」異能力者とのバトルが印象深かったです。
そのエピソードで最後に殺したのがアレ、ってのに「おおっ」と思わされたものでした。
下巻で完結になりますが、この巻のラストであのような展開になるだけに一緒に読まないとストレスが溜まると思います、読まれる方は是非(高いですが)まとめてお求めになった方がよろしいかと。