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名もなき毒

 

名もなき毒 (文春文庫)

名もなき毒 (文春文庫)

 

  ……いやあ、怖い。

 とある主要キャラのやってきたこと、最後にやったこと、それらを思うにおぞましくも恐ろしい心情になりました。

 

 宮部みゆきさんの杉村三郎シリーズの2作目ということを知らずに読み始めた作品でしたが、上記キャラの、ヒステリックな行動のインパクトがとても強かったですね。

 宮部さんの巧みな文章表現力で描かれる主人公の家庭・職場でのやり取りなど、読み進める意欲が湧く要素も多々あるのですが、何しろそのキャラがこの作品のメインテーマを担っているも同然なので、しばしばページをめくる作業をSTOPしてしまい、再開するのに時間がかかったりもしました。結婚式でのアレは正直、吐き気がしましたね。

 

 色々と他に語るべき部分もあるはずなのですが、あのキャラに全てを持って行かれたように思えた作品でした。

 まあでも、文庫版を読みましたが、文庫としても分量は多い方ですが、読み応えはしっかりありますし、一読する価値はある、とは言えますね。