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ノベルレビューオンリー

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星虫

 

星虫(ほしむし) (新潮文庫―ファンタジーノベル・シリーズ)

星虫(ほしむし) (新潮文庫―ファンタジーノベル・シリーズ)

 

  新潮文庫で発刊されたこちらの「星虫」は、初版が出た当時、道原かつみさんのイラストに目を引かれ、何気なく書店で手に取ったのでした。もちろん岩本隆雄という作者名を知るはずもなく、もう一つのファンタジーノベル最終候補作と迷ってこちらにしたのですが…

 いや、こんなに夢があって気持ちの良い物語だとは想像出来るはずもなく、読んだ後は興奮してすぐ読み返したのをよく覚えています。
 
 突然宇宙から降ってきた光る小物体。「星虫」と呼ばれるようになるその存在が全世界を巻き込む大騒動となり、その中心に宇宙飛行士を夢見る友美と寝太郎とあだ名される広樹の二人がいたのだった……
 
 この作品にまず魅了されたのは、テンポの良い文章でした。読みやすくスラスラと進み、かつ読み応えもちゃんとある、そんなテキストに感嘆しましたね。

 そして物語を読み進めていくとますます引き込まれていきました。友美と星虫の交流、謎の美女の出現、そしてグータラな広樹との関わり……
 星虫が徐々に変貌を遂げ、それに友美達が振りまわされつつ前向きに立ち向かっていく姿に、時を忘れて読みふけり、そしてラスト。

 こんな気持ちの良いエンディングを読んだのは初めてといっていいぐらいでした。
「ああ、本当に良かったなあ」と、心から思いましたもの。こんなに綺麗な結末で、とても嬉しかったですね。

 キャラクター達も友美と広樹を中心に回りの秋緒やクラスメート達を過不足なく描き、誰もおざなりになってないのが見事でした。
 特にほとんど出番のない広樹の父の存在感のデカさは、強く印象に残りました。

 少年と少女の冒険を描くジュヴナイル、その中でも傑出した内容を持つ作品であると思います。
 文句なしの超おすすめタイトル、今は朝日ノベルズから再刊されています。未読の方には是非手にとって頂きたいと願っております。