銀河英雄伝説 全10巻+外伝1-4巻
多くの読者のみならず、今の中堅・若手作家にも大きく影響を及ぼした大傑作。
私もこの作品に高校時代に出会い、自らの人格形成に深く関わってくれたように思います。
特に二人いる主人公の内、ヤン・ウェンリーのパーソナリティには魅了されましたね…腐敗しきった民主政治を憂い、それでも民主共和政を信じて戦い戦場では不敗、だけど素顔は紅茶と酒が好きな歴史学者の成り損ね…その彼の生涯に英雄っぽくないけどやっぱり英雄たる姿を見て、深い感銘を受けました。
周りを固めるキャラクターも実に個性的で生き生きと描写され、一方の主人公ラインハルト・フォン・ローエングラムとその軍隊もまた巧みに描かれていて読んでいてあっという間に時間が過ぎていったものでした。
作者の田中芳樹氏の筆力・構成力もズバ抜けており、10巻でピタっと完結させた様はまったくもって見事の一言です。後書きで書いていましたが、完結以後の物語は全く蛇足になるから書かない、という見識も素晴らしく感じました。
文句なしの超絶おすすめ作品、私の読書歴でもこれを超えるインパクトを持つ作品にはまだ出会えていませんし恐らくはもう出会うことはないのでしょう。一年に最低一度は読み返したくなる、私の宝物です。